ジョーを失った傷は余りにも深く。失った代償は大きかった。
メンバー中最強の力を与えられていたジョー…。ただ性格は脆く繊細なものであった。それ故に誰にも相談できず、色々な事を考え行動していたのであろう。リーダーとして俺たちがあいつを頼りにしていたがきっと物凄い負担だったに違いない。
どうしてあいつをもっと守れなかった。
とか、
どうしてもっと支えることができなかった。
とか本当に悔やまれる。
(許してくれ。ジョー)
俺たちがこんな状況だがフランソワーズはもっと辛いだと思う。何もしないまま部屋にずっと引きこもってしまっていた。
そんな時だった“彼”に会ったのは…。
敵は待ってはくれない。その日も黒い幽霊団を攻撃する為に出撃していた俺たちだが、ジョーの死が思ってた以上にあとをひいていたらしく徐々に劣勢になっていった。
(もうダメだ)
と思った瞬間、一人の人間が現れ、あっという間に倒してしまった。
(誰?)
瞳は漆黒。姿は比叡山延暦寺の僧兵か日本の武将の上杉謙信みたいな、いでたちであった。
その瞳は俺たちの身を案じるように優しく澄み切っていた。
その戦いかたは日本刀でシールドを張りつつ攻撃するというスタイルであった。
瞳の色を見てがっかりした俺たち。
ジョーの瞳の色と違う…だってジョーの瞳の色は琥珀色だものな…。
“彼”の姿を見た途端、誰もが急に胸が苦しくなり悲しみがこみあげてきた…一体何故…。
“彼”はギルモア博士の方を見て何も言うなというように横に首を振り立ち去ってしまった。
(どういうこと?)
色々解らないことだらけであった。